未来へ

体細胞クローン牛3頭(写真:うち2頭)の試験屠殺が来週行われます。これで今残っている体細胞クローンすべての試験屠殺が終了します。

月に1度は必ず顔を見に行くことを目標にしていましたが、二ヵ月に一回とか三ヵ月に一回の時もありました。クローンが誕生して間もない子牛のころは、やれ下痢だ、やれ肺炎だ、今度はヘルニアだと心配がつきず、日に何度も牛舎に通います。色々な危機を乗り越え肥育牛舎に移るともう安心でついついご無沙汰になるわけです。

475Pは帝王切開で産まれ、娩出後呼吸が弱く呼吸促進剤を使って必死に処置しました(04年7/12日産まれ:生時体重54kg)。その後、ヘルニアに悩まされたものの元気におおきくなりました。476Pは475Pと同一細胞から作られたクローンで、陰部切開により元気に誕生しました(04年7/12日産まれ:生時体重46kg)。哺乳瓶からミルクを飲むのが下手でした。478Pはクローンには珍しく軽介助分娩で産まれ、肺炎の治療はしたものの何の心配もかけずスクスク育ちました(04年8/17日産まれ:生時体重42kg)。今日、久しぶりに彼らに会いに行き、研究室で彼らの核移植・胚移植・治療記録をみていると当時の色々な思い出がよみがえりました。

今、牛の体細胞クローン技術は大きな岐路を迎えています。この技術が畜産という産業に貢献できるかどうか今後のがんばりにかかっています。我々はこの技術が、クローン検定や精度の要する飼養実験などに利用でき、確実に畜産業に役立つものと確信しています。そのために、体細胞クローンの作出効率を上げるのにはどうしたらいいのか、同一細胞から作られた体細胞クローンは本当に(成長や肉質などが)似ているのかなど日々研究を重ねているわけです。

今回屠殺される3頭も彼らの使命をまっとうし貴重なデータを提供してくれることでしょう。得られたデータを生かしてクローン技術を「未来へ」つなげるのが我々の仕事です。(S)
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